体調不良が続く・突然の動悸があった方へ
気にする必要が無いと思っていたけど…
生きてく上で感じた事の無い体調不良(手汗、呼吸困難、胸・喉の圧迫感など)
が続いたり、突然の動悸に見舞われる、そんな事が起きたら誰でも不安になります。
現代社会はとても生き辛く、大概の人が人知れず悩みを抱えています。
その中で生きていれば疲れるのは当然です。年齢は関係ありません。
その過程で脳や心が疲れる事はむしろ正常です。あまり自分を責めないで下さい。
私も体調不良からパニック障害を経験しました。
パニック障害にも様々な定義があるのですが、
①発作(体)
②行動制限(心)
という様な形で、
体に起きる症状+心に起きる変化=パニック障害
と捉えるのが一般的だと思います。
私の経験を踏まえ、その不安を少しでも解消していければと思います。
目次
①まずは医者(内科医等)へ
②過去の私の性格
③症状(薬等も紹介)
④回復を手助けしたアイテム
⑤自分自身が工夫している事
①まずは医者(内科医等)へ
当たり前の事ですが、自分の体調がおかしくなったらとても不安になりますよね。
そんな時ネットで検索しますよね。
私も実際パニック障害にたどり着いたのは、ネット検索です。
その一方で、ネットの情報だけでは少し不安になりませんか?
もう少し何か根拠が欲しい所。
当たり前ですが、体調不良はまず医者(内科医等)に見てもらいましょう。
専門的知識を持っている人に見てもらうと心が落ち着きますし、体調不良に対し自分が納得する為には医者の診断が必要だと思います。
私の場合はネット検索と同時に医者(内科医等)へ通っていました。
診察してもらった内容は、
ホルター心電図(24時間)、甲状腺血液検査、心臓エコー、腹部エコー、内視鏡検査(胃カメラ)、血液検査、尿検査…
まだ他にもあったと思いますが、このくらいでしょうか。
検査後、いつも言われた事を覚えています。
「異常無し」
です。面倒な検査をし、診断結果が異常無しは複雑な心境です。
なぜなら、体調不良なのですから。
しかし、事実があります。
体に異常は無いのです。心臓や内臓に異常は無いと医者が言っています。
そうなると、体調不良は違う所で起きていると思って良いと思えませんか?
私はそう思ってから、心療内科に行く事を決めました。
次は、体調不良になるまでの過去の私の性格や、私に起きた体の症状を紹介します。
当てはまる項目が多かったり、症状が似ている人は、もしかするとパニック障害かもしれません。
飛ばしたい方は③の具体的な症状を読むと、治療などの参考になると思います。
②過去の私の性格
性格から書くには理由があります。
一般的に精神障害の病気と性格には繋がりがあると言われています。遺伝も言われてます。こんな事と思うかもしれませんが、私は性格が重要だと病気と向き合う中で気が付きました。だからまず性格から書いていきたいのです。
状況に合わせて、パニック障害と繋がっていそうな性格を紹介します。
・仕事をしている時
生真面目で抱え込む。マニュアル重視。段取り重視。とにかく不安感が強い。
・複数名での会話
周りに合わせる八方美人。複数名だと自分の意見、自分の感情が分からなくなってしまう為、その時々思う事をその場で正確に伝えられない事が多い。操り人形みたいです。
・目標達成や自己投資
基本ストイックだったので、追い込むのですが、ゆっくり休むはずの睡眠などの時間でもその事を考えてしまい、ゆっくり休めない。自分の首を自分で絞める感覚に近いです。
・緊張する場面の私
先に対しての不安が強い事から、トイレに行けなかったらどうしようと考えるので、多い時には10回以上行くこともありました。
大まかにまとめると、
①不安症②自己主張が下手③脅迫概念が強い
だと思います。自分の性格がパニック障害、または違う病気と繋がっていると気になる方は、「パニック障害・性格」や「病気・性格」など自分なりの検索をするのも良い手だと思います。
③症状(薬も紹介)
文書が長いので先に内容を簡単にまとめると、
①体調不良
②発作
③病院
④心療内科
⑤休職
⑥復職
といった流れです。具体的な情報やワードを惜しみなくお伝え出来ればと思います。逆にフラッシュバックしてしまうという方も見えると思いますので、出来るだけ体調の優れている時に読む事をおすすめします。
まずパニック発作を最初に起こしたのは28歳の4月。私は体育会系。ちなみに性別は男です。それまで体調不良とは無縁でした。しかし発作を起こす少し前から、体調不良になりました。仕事での悩みがあり、「頼りにしていた先輩がいなくなり、自分が年上である部下をまとめなければならないという立場になり、使命感で精神的に追い詰められていた」という状況でした。
①28歳の3月中旬。仕事中ストレスでおえつが起きる様になり、その間隔が3時間だったのが、2時間。それが1時間おきに起こる様になりました。また対人関係でのイライラがコントロール出来なくなり始めます。普段だったら流せるはずの冗談も、頭の中で処理出来ずぐるぐる回り、その人に強い口調で接してしまいました。「仕事がキャパを超えて辛い。でも自分がやらなくちゃ」と思っていました。
②4月中旬。初めての発作。冷蔵室(職場は、温度差の激しい職場です)で作業中です。手汗がひどくなり、同時に喉とみぞおちに違和感(ヒステリーボール)を感じ、そして急に動悸が襲ってきました。心拍が乱れ、ドドドドという強い鼓動と脈打ちを感じ、意識が遠くなり倒れました。「死ぬ」と人生で初めて思いました。救急車を呼んでもらったのですが、到着時には元の体調に戻っていました。病院に着いて心電図を取ってもらい異常が無かった為、点滴だけしました。体調も普通なので、そこから仕事場へ戻って仕事を再開するのですが、「ん?何か違和感がある。ソワソワする…胸の奥が落ち着かない」という感覚が。それが1週間程度続き、軽い動悸が度々。前兆として手汗をかき始め、喉とみぞおちの圧迫が起き、動悸が起きるといった流れです。すぐ近くの病院へ連れていってもらうのですが、到着時には症状は治まっているというのを2、3回繰り返しました。たまたま当直の先生が精神障害の知識がある先生で、もしかすると精神的な事かもしれないと言われ、安定剤(アルプラゾラム0.4mg)を6錠処方してもらいました。症状が起きたら飲んでみてとの事。ある日また軽い症状が出たので、言われた通り薬を飲んでみると、感覚が鈍くなり、何だか安定感がある。凄く落ち着く初めての感覚。ここで、「もしかして、心の病気かも」と思いました。
③5月。仕事も忙しくなり、毎日どこかで発作に襲われました。今までは仕事中が大半でしたが、休日(ジム終わりの運転中、趣味の時間、友人との会食中)までも起こる事態に。内科で全ての検査をし終わっていた段階で、同時に心療内科も通い始め、「不安障害」という診断を受けました。パニック障害も不安障害の一つです。現在のパニック障害の治療は、「SSRI」という薬を根本とした治療が主流です。しかし、この診療内科の先生はパニック障害という病気を知りませんでした。治療は漢方で。頓服で安定剤(アルプラゾラム)が私の根本治療になりました。心療内科で治療や診断が変わります。皆さんに大切な事を伝えます。「自分に合う診療内科を見つける」事が非常に重要ですので、診療内科選びは慎重に。
④6月~9月上旬。息苦しさが目立つ様になりました。常時ヒステリーボールが気になる。動悸が起きたらどうしようという不安から、プライベートでも消極的になりました。今まで外に出ないと嫌だったのに、発作が怖くて外に出るのをためらう様になります。お風呂ですら怖い。この時期から、仕事に支障が出る段階になりました。主な原因は睡眠不足。眠る時に自分の呼吸が気になり寝れない。高い所から落ちるドキっとする感覚で目を覚ます。処方された安定剤(アルプラゾラム)を飲むと落ち着くので、何とか疲れと眠気をごまかしながら0.4mgを一日2錠。心療内科で相談すると一日に飲む安定剤を増やす事を進められました。心療内科に通えているのに、病状は悪化する。これは歯がゆいものでした。
⑤9月中旬。薬の副作用が出始めます。そもそも安定剤の一日の限度は6錠でした。しかし仕事をこなす為、安定剤0.4mgを一日7錠以上飲んでいました。不眠に加え、脳の覚醒、体が寒くなる事が頻繁に起き、分厚い長袖を着て過ごしていました。特に怖かった副作用は、寝る時に金縛りが起き、幻覚、幻聴が現われ、現実が分からなくなってしまう時でした。仕事中もすぐ発作が起き、横になる事しか出来ず、休憩・早退・欠勤を繰り返しました。普段の生活もままならない状況だったので、職場には休職を伝え、休む事にしました。もちろん、職場は忙しいので罪悪感でいっぱいです。この辺りから症状をネットで検索する内に、「パニック障害」が私の症状と当てはまる事に気が付き始めました。その事を心療内科の先生に伝えましたが、前に書いた通り先生はパニック障害を知らず、漢方を変えてみようかと言われました。治療方法で折り合いがつかなかった為、先生に病院を変えたい事をしっかりと伝え、違う病院を探す事にしました。
⑥10月上旬。新しい診療内科に通うことになりました。選んだのは県の市民病院に勤められた経験を持ち、自らの診療内科を立ち上げた先生の病院でした。ネットでの口コミの良さと、大きな病院で勤められていた経験がある先生ならパニック障害について説明を受けられる可能性が高いと思い選びました。前の心療内科では漢方を中心とした治療でしたが、新しい診療内科では「SSRI」を根本治療薬とし、徐々に頓服薬である安定剤を減らしていく治療へと切り替わりました。SSRIはセルトラリン錠、抗てんかん薬はリボトリール錠、頓服薬は変わらずアルプラゾラムでした。新しい先生に相談し、休職の期間は1ヶ月にしてみる事にしました。望んだ治療が受けられる事がとても嬉しかったです。
⑦10月中旬~下旬。SSRIの副作用で体がだるく、最初の2週間は飲んだ後は30分程横になっていました。副作用と別なのかは分かりませんが、とにかく疲れやすく、散歩を3キロ程度しただけでぐったり。耳鳴りがしたり、あくびも沢山出ました。疲れるとしゃっくりが止まらない事もあり、あくびとしゃっくりと耳鳴りが同時に起きる事も。一方で睡眠を妨げていた症状や動悸、脳の覚醒の回数は少しずつ少なくなり、この段階でのアルプラゾラムは一日0.4mgを4錠飲む程度にまで減りました。仕事復帰を見据え運動をするのですが、疲れが取れず横になって、昼から夜まで動けません。そのまま寝てしまいます。夜も普通に寝て、昼や夕方も寝てしまうという状況でした。先生に相談すると、今は焦る時期では無いので、休職を一ヶ月伸ばす様アドバイスを受けました。心の心境としては、「職場に迷惑をかけてるので、早く復職しなければ申し訳ない」と思っていましたが、皆さんに伝えたいのは、「自分の事だけ考えて」良いという事です。治療の最中に、無理に自分を追い込むのはやめましょう。
⑧11月。回復を感じる日もあれば、そうでない日との差が激しくて、情緒が不安定になりました。新しい症状は出ません。ただ疲れやすい、広場恐怖(発作がまた起きるのではと、特定の場所に行けなくなる症状)もあり、正直先が見えないので、「仕事続けても良いのかな。こんな休んでばっかりじゃ迷惑な存在だ」と思い、当時の支部長に電話で胸の内を明かしました。
「職場や今の仕事は好きですが、いつ復職出来るか分からない状況で皆さんに迷惑を掛け続けるのは申し訳無いので、仕事を辞める方向で考えています」とお伝えしました。すると支部長から、「まずは自分の事を考えろ。会社の事は考えなくて良い。病気を治す事に集中しろ」と、言われました。この瞬間、抱えていた肩の荷がすっと下りて楽になりました。この言葉から、「真剣に病気と自分に向き合って駄目なら仕方無い」と思える様になり、そこから病気は一気に回復へと向かいます。病気や自分との向き合い方で参考になったものは後ほど紹介します。先生とも相談し、年内は休職する事にしました。
⑨12月。体調も安定し始め、行けなかった場所、会えなかった人とも会える様になり、出来ない事が出来る様になってくる事が嬉しくて、泣きました。疲れやすさの症状は残っていましたが、睡眠を多く取り適度な休憩を挟めば、仕事は何とかなると思いました。この時期には病気も個性として受け入れていました。この時点での頓服での安定剤は、一日0.4mgを2錠(もちろんSSRIや他の薬も飲んでいます)朝と晩で飲む生活でした。支部長には年明けから復職する事を伝えました。そして復職しました。最初の2年程は仕事から帰ってご飯を食べて寝る。休日も必ず日中に寝るという生活でした。ストイックに自分を磨いたり、夜遅くまで遊んだりする事は出来ませんでしたが、それでも幸せでした。2年を過ぎたあたりからは、日中に寝る事が無くなる生活を送る事が出来る様になりました。ストイックな事は変わらず出来ませんでしたが、多少夜更かしする程度の事や以前出来ていたことが出来る様になりました。何よりも、復職してから6年間、病気を理由に仕事を休んだ事は無いです。
※ここで紹介した治療法はあくまで私の治療法です。パニック障害の回復の方法は人それぞれだと思います。早く自分に合った治療法と出会い、良い治療を継続して行う事が大切です。
次の章では病気を治す上で重要だった、「病気と自分に向き合う」中で参考になったアイテムを紹介します。
④回復を手助けしたアイテム
これまで病気になるまでの私の性格や具体的な症状を書きました。あなたも、変えるか、大切にし続けなければならない事があります。それは、「自分を大切にする事」です。ここまで読み進めてくれたあなたなら分かると思います。この事がいかに現代社会で難しい事なのかを。少なくとも人に嫌われる事を恐れ、自分の感情さえも分からなくなる人間だった私には容易ではありませんでした。これを可能にする為に必要な時間が、「自分と向き合う時間」です。私のおすすめのものを紹介します。
パニック障害 心の不安はとり除ける 渡辺登(監修)
日本大学医学部精神医学分野教授の書かれたパニック障害の本になります。医学の本なのに凄く読みやすいです。文章がかみ砕かれ、イラストが入っているのと、100ページも無いのでさっと読めます。ストーリーで進行していき、専門的な症状、事例、アドバイスなどが書かれています。まずは自分の病気について自分が知り、その情報から病気との付き合い方を自分で考える事が必要です。脳の仕組みについて知ると、性格と深く関わっている事が分かります。私はこの本を読んで、病気に対しての理解と共に、自分に対しての変換点を明確にする事が出来ました。
嫌われる勇気 岸見一郎 古賀史健
心理学の本でもあり、自己啓発本にもあたる部類の本だと思います。最初に紹介した本を読み終わった後、買いました。記憶が曖昧ですが、ボクシングの村田諒太選手のドキュメンタリーをテレビで観ていた時にこの本の存在を知りました。合う・合わないがあるので、本屋で少しだけ読んでから購入するのが無難だと思います。老人と青年の対話形式で、アドラーという心理学者の考え方を学んでいきます。この本を読み終え、私の場合はノートに内容を書き込んで、考察を書きました。否定的な意見も書きましたし、肯定的な、幸せになる為の意見も書いています。取捨選択で良いと思います。自分を大切にする為のヒントが多い本です。
UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾンスクエアガーデン)
アーティストです。有名なバンドなのでご存じの方も見えると思います。音楽好きで、このバンドを知りました。最初はこのバンドに救われるとは思いもしませんでした。音楽性がカッコ良いと一目惚れで楽曲を聴いていました。今では本当に出会えて良かったと思えるバンドです。作詞・作曲はほとんどがベースの田淵智也さんがされていますが、言い回しが独特な歌詞が多いです。あえて分かりづらく作られている印象があります。そんな歌詞をかみ砕いていくと、田淵さんの伝えたい事が自分の形で見えてきます。自分というのがポイントなんだと思います。10人いたら10人の解釈が正解なのです。その解釈を私なりに、「自分を大切にする」という点で紹介したい楽曲は、
①kid,I like quartet
②お人好しカメレオン
③harmonized finale
④黄昏インザスパイ
⑤さわれない歌
⑥Invisible Sensation
⑦Dizzy Trickster
となります。分かりづらい歌詞をノートに書いて、考察をしました。表面上だけでは分からないものが、私なりの解釈で沢山見えましたし、それが自分と向き合う時間にもなりました。少なくとも、その答えで今の私は生きていられますし、救われています。もし耳にする機会があったら、そんな観点からも聴いて欲しいという思いを込めて紹介させて頂きました。
⑤自分自身が工夫している事
発作が起きない様に自分自身が工夫していることを紹介します。
①カフェイン・炭酸・アルコール・ニコチンを出来るだけ摂取しない
②疲れを取る事を優先する。疲れたと思えば無理をせず、駄目なら安定剤を飲む
③お守りとして安定剤を常時持つ事で、大丈夫と自分に言い聞かせる
④瞑想や、深呼吸をし、心を落ち着かせる時間を作る事で、脳をリラックスさせる
意外と体の疲れは皆さん気付くのですが、脳の疲れには気が付かないので、特に④がおすすめになります。
今苦しんでいるあなたに、何か一つでもヒントになる言葉があったのなら幸いです。